コラム

猫の骨盤骨折

2015.11.18

こんにちは、フジタどうぶつ病院です。
今日は猫ちゃんの骨盤骨折の症例を報告させていただきます。

 

お家で飼われている猫ちゃんなのですが、毎日のように外に出る子らしいです。
ある日、帰ってこないなあと飼い主さんが外に探しに出ると、近くの路地にうずくまっていたところを保護したらしいです。この猫ちゃんは以前にも交通事故になって上あごが真ん中で割れてしまって、手術したことがありました。
今回は腰を触ると痛がって、ほとんど歩けないとのことでした。
レントゲンを撮ったところ、下の写真のように骨盤を骨折していました。

今回の骨盤骨折は、仙腸関節が(黄色矢印)外れてしまっているのと恥骨が骨折(赤色矢印)しています。仙腸関節は腸骨と仙骨(背骨)の関節で言わば背骨と後肢を固定している所で、歩行する上で大変重要な役目を担っています。整復しなくても歩行は何とかなる場合もあるのですが、骨盤腔が狭くなることで便の通りが悪くなり、ひどい便秘になることはほぼ間違いありません。治療はこの仙腸関節を整復して固定することです。恥骨の骨折は固定の必要はなく、仙腸関節を固定しておけば自然と治癒していきます。下の写真が手術後です。

仙腸関節はスクリューで固定し(黄色矢印)、それだけでは回転してしまうので、腸骨同士をピンで固定しています。その後、2ヶ月後にスクリューとピンを除去する手術をして、今は以前と変わりなく、外にも遊びに行っているそうです。
飼い主さんには、猫ちゃんは家で飼う方が安全ですよ、とお伝えしているのですが、どうしても行き来たがるからということで外に行かせているらしいです。 事故に合わないことを祈るばかりです。
猫ちゃんは小さい頃から家だけで飼うことをお勧めします。
しばらくすれば外に出ること自体が怖くなって、まったく外には行かなくなります。猫ちゃんは家の中だけでいることの方がストレスなく、病気にもなりにくく、長生きすることは間違いないです。

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