今日はネコちゃんの誤飲による腸閉塞の診察、治療に関する症例を紹介させていただきます。
食欲がなく、水を飲んでは吐くということで来院されました。2歳という若さで、血液検査でも問題なかったので、誤飲を疑いました。当初、飼い主さんは誤飲は考えられないということでしたが、造影検査を行いました。造影剤投与後30分で少し流れが滞ったところがありましたが、結局は8時間後にはすべて流れました。それが下の写真です。30分後と8時間後です。
30分後
8時間後
ここで、一応誤嚥は否定して、胃腸炎の治療(皮下点滴と胃酸分泌抑制剤と抗生物質の皮下注射)をして家で様子を見ていただきました。しかし、翌日になってもやはり食欲はなく、水を飲んでは吐くという状態でした。
そこで、やはり誤嚥を疑って試験的開腹を行いました。そうしたところ、空腸に異物が認められました。
腸切開を行い、異物を取り出し、腸の縫合を行いました。
異物はウレタン状のものでしたが、飼い主さんも何かは分からないとおっしゃっていました。
ネコちゃんの誤嚥による腸閉塞はよくありますので、気を付けていただきたいところです。
